ゆるゆるインドネシアフェア Tong Tong Fair

オランダに着いて馴染むまでに、いつも1週間かかります。方向音痴なので土地勘を取り戻すまでに時間がかかることもありますが、主な理由は「人間圧」です。勝手に命名した人間圧とは、その人から発する力といいましょうか。オランダ人が単にデカイからかもしれませんが、その人を形作る雰囲気というかたたずまいの輪郭がくっきりはっきりしていて、日本の自分のままでいたら、その圧力をまともに受けてよろけてしまうような気がするのです。その圧力を「個人主義」と言い換えてもいいかもしれません。なので、オランダに着いたら、たいていぼーっとしている自分@日本のネジをキリキリと閉める作業に入ります。

そんなネジ調整週間の5月末、ぽーる丼のお兄さんから「トントン・フェア」へのお誘いがありました。トントン・フェアとは、パンダの祭典ではなく、50年以上の歴史があるインドネシアの祭典です。

1959年、インドネシア系オランダ人グループが、インドネシア文化を知ってもらうべくスタートさせたそうです。5月末から1週間ほど、巨大なテントが張られ、その中で歌あり、ダンスあり、ワークショップあり、ダイニング、グッズなどなど、インドネシア関連のあらゆるものがここに大集合します。見本市としても機能しているそうです。

入口で入場料を払って中に入ると…。当たり前ですが、ぜんぶインドネシアで、屋台で働いている人もインドネシア人です。こんなに大勢のインドネシア人を一か所で見たのは初めてでした。テント内に流れる空気が妙にゆるゆる。人と人の境界線がにじむように曖昧になり、調整中だったネジが一挙にゆるみました。

さて、日替わりで色々とイベントが行われているそうですが、私が訪れた日は、植民地インドネシアにおけるオランダ人のファッションショーでした。眠くなるようなゆったりとした音楽に合わせて、これまた眠くなるような衣装を身につけた人々がキャットウォークというか、ペタペタウォークしていました。植民地ファッション。そうか、そういうものが存在していたのだ。見たところ、バティックを取り入れてエスニックに決めるというより、オランダでの衣装を、温暖なインドネシアに合わせてルーズにかつ優雅に着こなすかというところに力点が置かれていたような印象でした。

屋台レストランや食べ物もたっくさんありました。物品も見ながら半日は過ごせそうです。

ミーゴレンを食べ、サテを食べ、インドネシアコーヒーを飲み、おいしいエンピンも手に入れ、楽しく過ごせました。しかし、こっそりと白状すると、今回の収穫は、テントの中のゆるゆる空気にすぐさま同調する自分は紛れもなくアジア人であると確信したことでした。

 

 

 

 

 

関連記事

error: Content is protected !!