絵にたたずむ Panorama Mesdag  -Den Haag-

ハーグにはアムステルダムに劣らずオランダ至宝の美術館があります。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」やレンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」があるマウリッツハウス、世界最大級のモンドリアンのコレクションを所蔵するハーグ市立美術館、だまし絵で有名なエッシャーの美術館。

あまり知られていないですが、パノラマ・メスダグもハーグ自慢の美術館です。他の美術館にはない不思議な絵画観賞が楽しめます。

ヘンドリック・ヴィレム・メスタグ(1831~1915年)はフローニンゲン生まれのオランダ人画家。主に海の風景を描いています。後にハーグ派に入り、1889年にハーグ派の代表になります。ハーグ派とは、19世紀後半にハーグで活動した画家たちのことです。バルビゾン派に影響を受けた写実主義の画家集団で、灰色などの地味な色彩が特徴で、しばしば「灰色派」と呼ばれたそうです。

展示室は大きく3つに分かれています。まず、アーチストカップルの部屋。メスタグとその妻、Sine(Sientje) van Houtenの絵画が展示されています。

さらにヘンドリック・ヴィレム・メスタグへと続きます。

メスタグの展示を後にビデオ紹介の部屋を過ぎると、突然廊下が真っ暗になります。

らせん階段を上がりきると……。

 

突然視界が開け、現れたのは東屋。その東屋を中心にして、周囲をぐるっと絵で囲んでいます。360度のパノラマ。絵の手前に本当が砂丘が作られています。

 

360度のパノラマの絵は、長さ120m、高さは14m。オランダ最大の絵画です。1880年、メスタグはベルギーの会社から、スフェベニンゲンの絵の注文を受け制作します。1886年にその会社が破産、自身の絵を買い戻し、絵に合わせた今の美術館を作りました。

砂丘の高台から周辺に広がる風景を見下ろす格好で絵を観賞します。目の前の砂丘、その向こうに広がる海、街の風景。カモメの声、波の音の音響効果も手伝って、まるで絵の中にたたずんでいるようです。望遠レンズのカメラをもっていたので、詳細を見てみました。

19世紀の漁港での人々の営みが克明に描かれ、その空気感まで伝わってきます。美術館のスタッフがおもしろいデモンストレーションをしてくれました。

絵の前の砂丘を歩くこと、ほんの10歩くらい。姿があっという間に小さくなりました。目の錯覚が起こす現象で、この錯覚によって、絵に遠近が生まれ、本物の風景さながらの迫力を与えているのです。

もちろんカフェ、ミュージアムショップもあります。

 

絵を見ているような、風景を眺めているような。自然と絵画のはざまに心地よく立ち、いつまでも見ていたい気分になりました。

 

 

 

 

 

 

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