フリスランの風が吹くまち レーワルデン Leeuwarden

フリースラント州はオランダの北西に位置しています。ワッデン海に浮かぶフリーラント島、テレスヘリング島、アーメラント島、スヒールモニコーフ島の西フリースラント諸島、海域まで含めると国内最大の州になるそうです。

「フリースラントは他の州とは違う」。こんなセリフをよく聞きます。フリースラント州では、オランダ語の他にフリジア語という独自の言語が使われているというのが主な理由だと思いますが、独自の言語があるということは、オランダ王国の一部ではなかった? ちなみに西フリースラント諸島の先(東側)にユースト島、ノルダーナイ島など7つの島が並ぶ東フリースラント諸島があり、それらの島はドイツに属しています。

オランダとドイツにまたがるフリースラント。歴史を簡単に紐解きますと(といってもWikiです)、民族大移動時代に、アングロ人、サクソン人、ジュート人、ドイツ民族の先祖といわれるフリシー人の子孫らが、新しいフリージアン人としてこのエリアに住み着いたそうです。そして、7世紀頃にはフリージアン王国としてこの地域で発展したといわれています。後にフランク王国に組み込まれます。その後もこの地方は、オランダ王国が黄金の17世紀を迎える以前からイギリスやスカンジナビア諸国などとの貿易で栄えていたそうです。

なるほど。海を隔てて隣国に近いという地勢をいかして貿易で独自の繁栄と遂げた有力な地域だったわけですね。その歴史がフリースラントに住む人たちからすると「俺らのほうが先に栄えていたもん」になり、他の州の人からすると「とっくの昔からオランダのいち州に過ぎないのに。未だに言ってるの」になり。違うベクトルから「ちょっと違う」を言い合ってるわけですね。

どんな風に違うのか? フリースラント州のレーワルデンに行ってみました。

まずVVV(観光案内所)へ。駅すぐのオランダには珍しい黒い高層ビルの1階にあります。

フリースランド州の旗のグッズがたくさん。ちなみに、赤いマークはハートではなく、この地域によく観られる西洋コウホネの葉です。

中心街に入ります。

他のオランダの都市と大きな違いがあるとはいいません。が、街中を流れる運河沿いのゆったりとした広場、すっきりした建物、建物の色が微妙に違うように感じます。そして街中にゆったりとたゆたうエレガンス。他のまちではあまり感じない雰囲気です。フランスやイタリアに比べるとオランダのまちはデコラティブ少な目ですっきりしていると思うのですが、レーワルデンはそんなシンプルさをさらに極めた感じです。バイキングの影響も受けているというから、北欧的なのかな。

 

レーワルデンのまちのシンボルは、ピサの斜塔顔負けのOldhoveです。

ピサの斜塔より傾きは大きいそう。フローニンゲンより高い塔つくっちゃる!と16世紀に住むレーワルデンの市民は息まいたものの、建築中に傾きはじめ、まっすぐにしようと試みましたがうまくいかず、もう無理!と途中放棄になったそうです。つまり未完成なんですね。どうりで屋根というか塔のとんがりがないわけだ。

まちをぶらぶら歩くと、繁栄の跡をたどるような歴史ある美しい建物に出合います。

上の建物はCentraal Apotheekという薬局です。店内は普通の薬局ですが、建物は1904~5年に建てられたアールヌーボー建築。カーブを描いた正面のドアが美しいですね。下左の建物は、わずか33席という劇場で、1903年の建築だそうです。元は保険会社でしたが、2013年に劇場となったそう。通りのプレートも雰囲気を誘います。

あてもなくブラブラ歩いていただけなのに、歴史ある建物をレトロトレンドに落とし込んだ素敵なスポットに出合いました。

ひとつは元郵便局の建物。1904年の建築で、現在はPostplazaというホテルになっています。

クラシックで重厚な建物の中にちょっと入ってみると…

 

さらに中心街からちょっと北にはずれ運河沿いをとことこ歩いていると、改装中の建物がありました。建物を取り囲むように濠があるので、お城かなんかかしらん、にしては若干地味だなぁ…。

ちょっとした説明板がありました。なになにgevangenis?って牢屋だったの! そう、オランダ語のgevangenisはprisonという意味なのです。城なら地味ですが、牢屋なら立派。凝った造りに見えるのですが、当時は牢屋といえども、塔を作ったりするのが普通だったのでしょうか。

中にも入れるようなので、入ってみました。

クリエイターやデザイナーのオフィスやショップが集うトレンディなスポットになっていました。

 

レーワルデンは2018年の欧州文化都市に選ばれました。欧州文化都市とは、EUが指定し、一年間にわたり集中的に文化行事を展開する事業だそうで、1985年から行われています。これからますますイベントも増えていくでしょう。

あ、最後に。フリスラン(フリジア語)は標識などで目にすることはあっても、耳にすることはありませんでした。だからといってフリジア語が廃れているというわけではなく、外ではオランダ語、身内ではフリジア語と使い分けているそうです(全員ではないと思いますが)。実際、フリースラント州のDrachtenという田舎のまちのマーケットでオランダ語ではない言葉を耳にしました。

フリスランには何も声高に叫ばなくても失われないという自負心があるのかもしれませんね。

 

 

2017-05-02 | Posted in Leeuwarden, まち, フリースラント州No Comments » 

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