オランダいちの古い市 Dordrecht

ドートレヒトに着いた時、イギリスの地方都市に似た空気を感じました。栄光は過ぎ去りし過去のこと、今は表舞台からはずれて歴史が濃厚に香るまち。例えばユートレヒトも歴史がありますが、おしゃれな店が点在し、若さと古さが混じって活気があります。一方、ドートレヒトは”過去の栄光”の気配が濃い感じがします。お隣のロッテルダムが貿易港として大きく成長することで、ドートレヒトは産業の要としての役目を終えてしまったのでしょう。

 

とはいえ、観光として訪れる者にとっては、歴史の一端を感じとれる風情のあるまちです。ドートレヒトは1220年、市の特権を得た南ホラント州最古の市で、造船の中心地でした。オランダにはそこかしこに「かつて造船で栄えた」まちがありますが、栄光の17世紀は貿易が支えたのだから当たり前か。大きな川があり、平地で、海沿いとなれば、国を栄えさせるのは貿易というのは自然な流れなのかもしれません。実際にそのまちに立つと、地形から歴史が立ちあがってきます。

 

中心からちょっとはずれたところに、Arend Maartenshofという古い建物があります。Hofjeといって17世紀頃、貧しい老女を支えるために作られた建物で、高い壁に囲まれて、U型の建物の真ん中に中庭があります。1625年に建てられたというこの建物にも38の部屋があり、今でも使われています。見学は可能ですが、そーっと静かに入りましょう。

中心街に戻って大教会に行くと、わらわらと人が集まっていました。夏の音楽会を開くということで、善良そうな白髪のおじいさんがビラを配っていました。人々にならって運河をはさんだ小さな広場に座っていると、塔からシンプルな音色のカリヨンとラッパの音が。運河から運ばれる風にのって、のんびりと音楽会は続いたのでした。

 

独特な時間と空気が流れるドートレヒトでした。

2015-04-28 | Posted in Dordrecht, まち, 南ホラント州No Comments » 

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