17世紀のブラウンカフェ Café Hoppe -Amsterdam-

古きよき場所というのは、旅心をくすぐるアイテムです。たった数日の訪問でその国が理解できるわけはありませんが、それでも、昔から続く店や場所に身をおくと、漂う空気、気配に何層にも折り重なった時代の片りんを感じ取ることができます。

オランダにはブラウンカフェ(Bruin cafe)というカテゴリーのカフェがあります。訳せば茶色いカフェと無味乾燥な感じですが、この”茶色”は、木造建築であることはもちろんとして、紫煙でいぶされてさらに色目が濃くなっていることも示唆しています。つまり、ずーっと昔からその場所に店を構えているカフェがブラウンカフェなのです。

カフェと名乗っていますが、地ビールや、地ジェネーバがあることも条件のひとつ。そして、バーテンダーと客が軽くおしゃべりを楽しむような親密感も大切な要素です。イギリスでいうところのパブ、日本でいうところの…。なんだろう。純喫茶と小料理屋を合わせた感じかな。

アムステルダムには1600年代から続くブラウンカフェがありますが、そのなかのひとつ、Cafe Hoppeを訪ねてみました。

店内に入ると…。常套句ですが、時がとまったような世界。17世紀を想像してみます。

ネクタイと白シャツのバーテンダーも、歴史をまとっているのか、ちょっと威厳があります。新調した服ではなく、くたり気味なのもまた味があり。場所は変わりますが、香港でも老舗の飲茶屋などに行くと、白シャツ、ネクタイ姿のおじさんたちがキビキビと働いている姿をよく見かけました。そんなおじさん達がいる店はどこか安心できます。

Cafe Hoppeは、1670創業。外観も内装も当時のままだそうです。オランダの自由主義政党であるD66の旗揚げがここで行われたり、ベアトリクス元女王の訪問があったり、ハイネケンビールのハイネケン氏が通っていたそう。

アルコールはビール、ワインも取り揃えていますが、店の名を冠するYoung Hoppeなどのジェネーバこそ、ブラウンカフェならでは。朝食、ランチなどのメニューもあります。

店頭は地元の人、観光客が大賑わいでしたが、店内はすいていたこともあって(天気がよいと、たいていそんな感じ)、静かな時間を過ごすことができました。なんだかいるだけで豊かな気分になって、おしゃべりする必要もなくなってきます。

こちらはNo.18で、バーカウンターを通り過ぎての向こうのNo.20とつながっています。20世紀にオリジナルのNo.18とくっつけたそう。

ブラウンカフェのもうひとつの特徴が、砂が敷かれた床。

なぜ砂が敷かれているのでしょう? それは掃除のためです。昔はこのように白砂を床に敷き、ゴミと一緒に掃いていたそうです。砂を敷かないブラウンカフェもありますが、Cafe Hoppeでは当時の姿へのこだわりが強いのかもしれませんね。

日本でも、パソコンより新聞紙が似合うおやじ喫茶が好きで、ちょくちょく行っていましたが、同じような空気がCafe Hoppeにはありました。本当に落ち着けます。

 

 

 

 

2016-07-05 | Posted in すきなお店No Comments » 

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