味わいアンティークプリント Between art and science -Haarlem-

ハーレムを訪れた時。Schagchelstraatという細い通りを歩いていると、足がとまるお店がありました。

店名が見当たりません。ドア、ショーウィンドーの壁などが印刷物で埋め尽くされています。その貼り方、印刷物が普通でない。たたずまいに、ぴぴんときました。

ショーウィンドーをのぞくと、私の好きなアンティークプリントのショップようです。訪ねなくてはいけない場所があったので、ハーレムを発つ前に店が開くといいなと思いつつ、その場を去りました。約2時間後のお昼過ぎ、Schagchelstraatに戻ると、あいてました! やっぱりアンティークプリントの店でした。Between art and scienceといいます。

19世紀、ヨーロッパに広まったリトグラフを用いた印刷物。現在の印刷物にはない、色彩、線、描写など、独特な世界観がそこにあります。写真がまだ発明される前、印刷物では言葉以外の描写は絵に頼るしかなかったわけで、リトグラフの発明によって大量印刷が可能になった分、カタログ、百科事典、医療など、様々な需要があったはずです。絵はアートの対象のみならず、物、現象を伝える手段として活用されていたのだと思います。画家たちは対象物を正確に描写することに努めたのだと思いますが、人の手から紡ぎだされる物は、どんな冷徹な眼で観察したとしても、どこか人間くさくなっていきます。不思議で幻想的な色彩もさることながら、リトグラフの印刷物の醍醐味はそこにあると思います。

さて、Between art and scienceの決して広くない店内には、そんなリトグラフがずらずらずらーっと並んでいました。「カエルかトカゲの絵、ありますか?」と聞くと、「あるある! でも、ありすぎてどこにあるかわかんないの! ガハハハ」とフレンドリーなオーナー。「で、たいがい、お客さんが去った後に、ベストなものが見つかるのよねー、困ったもんよ。こっちでも探してみるから、もー、好きなだけ探して!」

オーナーのお言葉に甘え、好きなだけ見させてもらいました。動物画、美しいボタニカルアート、レトロなポスター、風景画、どれもこれもすてき。この店が得意としているのは、人体の3Dリトグラフだそう。残念ながらお気に入りのカエルおよびトカゲは見つかりませんでしたが、ハエとハチの小さな画が気に入って、友達へのお土産として購入しました。

 

はー楽しかった。長居した割には小さな2点だけのお買い物で申し訳ない気もしたのですが、アニタさん、意に介するようすもなく、リトグラフの魅力をたくさん語ってくれました。「この動物の絵、サイコーよね。動物の顔しているのに、ほとんど人間なんだもの!(爆笑)」(←写真撮り忘れました)。ハーレムに行くことがあったら、ぜひ訪ねてみてください。

 

 

2016-01-12 | Posted in Between art and science, すきなお店No Comments » 

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